敬愛する上院議員を大統領の座に据えたいと、サマンサは昼夜を問わず選挙事務所で働いていた。
そんなある日、とんでもない書類を見つけてしまう。
これが私の推測するとおりのものだとしたら、政界を揺るがすスキャンダルになりかねない。
思い悩んだサマンサは、正直さと公正さでワシントンDCでも有名な、ジェシー・コルトンに相談することにした。
いったいどんな事態が待ち受けているのか、予想だにすることもなく……。
コンピュータプログラマーのジュリエットは、記憶喪失の男性、マーティン・スミスの助けになりたいといつもひそかに思っていた。
私なら彼の身元を洗い出せるかもしれない。
だからマーティンが協力を求めてきたとき、彼女は快諾した。
調査のためにともに過ごすうち、うぶなジュリエットはどんどん彼に惹かれていく。
だが、一方で不安も募った。
マーティンの時折見せる厳しい表情が、とても普通の男性のものには思えなかったのだ。
すべての始まりは、ニック・モーガンとの出会いだ。
今朝散歩中に、コリーの犬がニックの携帯電話を壊してしまった。
彼は電話を弁償する代わりにと、今夜のパーティの同伴を求めてきたのだ。
最初は渋々同意したコリーも、いつしか場を楽しみ、彼に魅せられていた。
そのとき不意に、過去の記憶がよみがえった。
恋人に裏切られ、自尊心を粉々に打ち砕かれた記憶が。
コリーは我に返り、ニックへの淡い思いを自ら摘み取った。
ギリシア人実業家アレクシス・ペトラキスがパーティに現れるのを、リアナは震える思いで待っていた。
父の会社を救ってもらうために。
緊張を押し隠し、折り入って話がしたいと頼み込むと、豪華なスイートルームに連れていかれた。
そして、気づいたときには彼にすべてを捧げていたのだ。
翌朝、ようやく事情を打ち明けると、アレクシスの表情が変わった。
「ぼくはベッドでビジネスはしない」そう言い放つと、彼は紙幣をベッドにばらまき、振り返りもせずに部屋を出ていった。
ジュリアは親友の夫ニックにしつこく言い寄られ、困り果てていた。
そんな二人の様子を、美術財団会長のサイラスが見ていた。
ジュリアの遠縁で、彼女の祖父の爵位と領地を受け継ぐ人物だが、ジュリアとは犬猿の仲だ。
サイラスは彼女もニックに気があるのだろうと軽蔑をあらわにした。
怒って否定する彼女に、そうでないなら証明してみせろと言う。
どうやってと問うと、サイラスは信じられない提案をした。
彼の恋人を演じてニックを追い払えばいい、と。
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